1冊の…

ネットに繋ぎ始めた時分から、応援してる絵描きさんがいる。
調べてみたら、この絵描きさんのフォルダを2001年初頭に作成してるのだけど。
PCを弄り始めたのはもう少し前のことだから、多分もう10年位前からの話なのではないかなぁ…


…で、その約10年の間に。
サイト上で、小説とイラスト付きSSを創作するだけだったこの絵描きさんも。
個人サークルで、コミケに参加するようになったり。
同人ゲームのシナリオライターとして、他サークルに参加してたり。
ここ数年では、商業ゲームのシナリオライターやら原画やら…そして、商業誌で連載をするようになってたりしてた。


正直なところ、それは嬉しくもあったし寂しくもあったのだけれども。
(おこがましいとは十分承知してるけれど)


…で、だ。
その絵描きさんが、先日ついに初単行本を出されるということになったのですね。
しかも、初回限定版にはドラマCDまで付いてくるという。
勿論、発売日に即買いするつもりだったのだけども…
発売日、ちょっと野暮用で長崎まで出掛けててそれどころでなかったりした。


それで、時間が出来たので、今日ちょっと本屋を覗いてみたのだけど。
…無い。欠片も無い。通常版すらない。
発売日からは既に数日経過してる訳で、初回限定版を入手する為には、最早一刻の猶予もなかった。


エンジンキーを回す。
カーナビゲーションシステムの立ち上がりを静かに待つ…
【キーワード検索:本屋】
…さぁ、1番最寄りの本屋は何処だ!
踏込めアクセル!
待ってろ本屋!
初回限定本を手に入れるまで、決して諦めないっ!


車内の暑さ(車内が冷え切る前に乗降りを繰返す為)に朦朧となりながらも、ただ只管に検索→突撃を繰返してた。
気分はキャッチ&リリース。半ば自棄。
通常版の方だったら、何軒か見掛けたのだけれどもねぇ…
そのうち、何となく、所謂大型書店よりも忘れ去られたような個人書店の方が望みがありそうな気がしてきた頃。
1軒の書店に辿り着いた。
埃臭い店内。
古本屋なのだか本屋だか判らない店内。
そして、店の奥で同年代の客と話込んでるおじいちゃん・おばあちゃん。
…そこに、探していた初回限定本が1冊だけ残っていた。
ありがとう、おじいちゃん・おばあちゃん。
この本をしかも初回限定本を入荷してるなんて…先見の明があるよ!
(多分、もう2度と来ないだろうけれども)


気が付いたら、時刻は既に14:30を回っており。
深夜勤明けで約6時間近く、この初回限定本を探し回ってたことに。
…まぁ、エロマンガなんですけどね。


1冊のエロ本…とでもタイトル付けたら、ちょっとは感動的な話になるかしらん?
(1杯の掛蕎麦のノリで)